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本物の古流の身体操作をその手に


『沖縄の修行時代のことです。当時の先輩筋の空手家から、「清、良く見ていろ!」と言われました。

あの頃の指導法は、稀に動きを見せてくれることはあっても、教えるということはしません。吊り下げられていたサンドバックに正拳が打ち込まれると、サンドバッグは垂直に上がり、そのまま一瞬の間、頂点に留まった後に、垂直に落下してきました。』

 

『私のひとつ前の世代の空手家は、今はもう失伝してしまった口伝や動きを直に見聞きした最後の世代です。私は幼くして空手を学び始めたお陰で、彼らと共通の情報を得ることができました。』

 

『当時の沖縄は、田舎に行けば藁葺の家が多数残っているような時代でした。そして、そういう近代化を免れた、あるいは遅れた鄙には、現代のそれとは全く異なる古い形が残っていたのです。』

新垣清 オフィシャルブログより(一部編集)

【茅葺の家】(那覇市か)

1950年代、土井貢撮影 那覇市歴史博物館提供

新垣師範は、70年代の沖縄で戦前から伝わる空手を学ぶと共に、フルコンタクト系空手を始めとするスポーツ空手にものめり込みました。スポーツと武術の身体操作の違いを肌身で感た最後の世代でもあります。

 

本物の沖縄空手とは、スポーツと武術との違いとは何なのか?

 

反則が無いから目突きがある、程度の些細な違いではなく、現代の我々のそれとは全く異なる古伝の心身思想を体感しましょう。

 

何をすれば強くなるかが明確になる


 

ジャンプして天井に頭をぶつけるのと、ころんで床に頭をぶつけるのはどちらが痛いでしょうか?

答えは明白で、前者はたんこぶ程度でしょうが、後者は死に至る場合もあります。

 

これはジャンプするのは、重力を打ち消した後に残った力で天井にぶつかるのに対して、転ぶのは、重力が自分の頭を地面に引っぱり叩きつけるからです。

 

しかし、現在のスポーツ・格闘技・武術では、「地面を蹴って下半身の力を使う」というのが定説となっています。地面を蹴ってしまえば、一度重力を打ち消さねばならず、加えて、自分の体重を有効に利用することができません。

 

対照的に、沖縄空手には「地面は蹴るな」という古い口伝があり、日本武術でも「膝を抜け」という指導がなされます。古人達は重力の活用法を肌身で知っていたのでしょう。


運動の原理原則を理解すれば あらゆる技が再現出来る


ある高名な空手家は、打撃の威力を求め多くの人やモノを叩き、そして自身もまた多くの人に打たせました。その末にたどり着いた結論は、

「ボクサーや空手家よりも素人のパンチの方が痛い」

というものでした。なぜ鍛錬した格闘家・武術家よりも素人のほうがエネルギーを多く出せたのでしょうか?

 

その答えは、「自然な動作だから」です。余計な知識を入れず、無意識に・自然に獲得された動作は、生まれ持った骨格・筋力、環境(重力)に適応して、最も効率的な動作になります。

 

人間が重力で動いている証拠として、こちらの動画をご覧ください、これは受動歩行器といってモーターの類は一切ありませんがまるで人間のように歩きます。これは傾斜によって生まれた位置エネルギー、すなわち重力の作用によって歩いており、これは人間の歩行と何ら変わりないのです。

ただし、熟達した空手家の動きが素人のそれと同じというわけではありません。人間の自然、すなわち合理的な身体操作の原理を洗練し鋭さを増したのが、空手家の業・技なのです。

運動の原理原則とは何か?


検証してみましょう。ボールを投げたり蹴ったりするとき、ベンチプレスやスクワットのように押す動きで行うのと、普通のピッチングやシュートのように振りぬく動作で行うのとではどちらが飛ぶでしょうか?

 

答えは明白です。普通のピッチング・シュートフォームの方が圧倒的にエネルギーを多く生み出せます。

 

この腕を振る・脚を振る動作は、四足歩行動物の歩行と同じです。彼らは前脚で地面をひっかき、広背筋で引き付けて歩いていました。後ろ脚は大腰筋によって前方へ引き付けられます。これらがピッチングやシュートへと繋がっていきます。両腕は元々前脚で、四足歩行を立って行えば人間の歩行となるのです。

 

実際に、思いっきり放たれたストレートはピッチングのフォロースルーに酷似するときがあります。

 

ならば、この歩行の動作を格闘に適用するのが最も効率的なはずです。

しかし、未だ多くの道場やジムでは、ベンチプレスがパンチを強くし、スクワットが蹴りを強くすると信じられています。


根本的な身体操作の原理原則を学び、いかにして武術に運用されるかを無想会で学びましょう。

形を理解すれば どの局面でも自信を持って戦える


空手家の最大の悩みは、組まれたらどうするか、というものです。

 

明治以降の空手は突き蹴りが主体でしたから、角力(相撲)や柔道・柔術を併修するなどの対策が取られてきました。戦いの打撃のフェーズは空手で学び、組みのフェーズはそれ以外で補うという形です。

 

しかし、戦場で戦う武士にとっては、組み技の無い武術というのは不完全な武術です。

 

空手は不完全なのでしょうか?

その欠落を補うのが空手の形なのです。以下の動画をご覧ください。

空手の形は、組んだ状態からスタートするのではないか、という認識が生まれるはずです。

自分を騙す稽古が終わる 意味不明な「受け」の正体


新垣師範が、人気だった道場を閉鎖し今までの空手を全て捨てて、幼少期に沖縄で習った空手を思い出しながら再修業をした際の逸話を紹介します。

 

『意味の分からないナイファンチ(鉄騎)の形をできるだけ繰り返す日々が続きました。ナイファンチは初動に、右肘打ち→左下段払い→右鉤突き、の一連の流れがあり、通常は「肘打ちの後に相手の蹴りを払い突き返す~」とされています。

【1:肘打ち】

【両拳を揃える】

【下段払い】

【鉤突き】


しかし「この相手はどこから?」「その前の動作はなんのために?」という素朴な疑問が絶えません。そのあとの突きも相手に届かず、相手との相対関係が全く不明です。

 

ある日、その動作をできる限り素早く行ってみると、一瞬だけ相手が見えたのです。肘打ちの後、下段払いの動作で首を引っ掛けられて横に払われる相手の姿が。下段払いが受け技ではなく、相手を払う技だとすると、続く鉤突きがドンピシャで入ります。

 

今まで受けだと思っていた動作は受けなどではなく、形は分解するのではなく相手は一人で、かつ形は打撃ではなく組技系なのだ、という認識が生まれたのです。』

形の制作者の真意を理解することで納得して稽古できる


様々な形に登場する、両拳を小脇にそろえるあの謎の構えは、すべて相手の首を抑え込む動作なのではないか、との推測が立ちます。すると、ほとんどの形において、この両拳をそろえる構えは、ナイファンチと同様に肘打ちや膝蹴りと思しき動作の前後にあります。また続く動作も、払いや諸手突きが多く、首を抑えるか捻るかして投げているのだと分かります。

 

空手には最初から組技が内包された、完成された総合的な武術なのです。

【両拳を揃える】

【首を抑え込む】

【相手を払う】


そしてこの主張は、「形の技は決まっている」「相手の位置も決まっている」というごく自然な見解に帰結します。

形を分解してしまえば、それは本人の創作した技になってしまいます。それでは知識の集積や時間による淘汰を経ることができず、本人の才能以上の技を習得することが出来ません。

 

そのため、強さを本当に求める人間が分解や約束組手を見て「美しいが、人間はこのようには戦わないのではないか?」という疑問が湧くのは、あながち間違ってはいないのです。

 

各々の自由な発想ではなく、「より確からしい、より正しいものは何なのか?」という科学的なアプローチで先人の技を探求しましょう。

空手は打撃のみの武術と決めつけてはいないか


【大島筆記】

1762年の書、左端に「公相君(コウショウキン=クーサンクー)」の字が見られる

空手最古の形は「クーシャンクー」とされますが、その出典はこの「大島筆記」に登場する人物「公相君」です。

 

この人物は、冊封使として来琉した満州人・全魁に随伴した武官と考えられますから、「公相君」も同様に満州人でしょう。

 

我々が昨今イメージする中国とは異なり、当時の中国とは満州民族の治める清国でした。満州民族は、どちらかと言えばモンゴル系の大柄な騎馬民族です。モンゴル相撲が有名であるように、彼らは相撲や組技を好む民族です。ならばその時代に公的に移入された武術というのは、満州民族の武術・組技系の武術であるはずです。

 

この事実は、無想会の形解釈の傍証となるでしょう。

客観的な考証をもって論拠付けられた合理的な形の運用を無想会で学びましょう。

無想会最高師範 新垣清 Arakaki Kiyoshi


1954年10月17日、 沖縄県那覇市生まれ。 十代から多くの沖縄空手界の重鎮、長老の下へと通い、古伝の沖縄空手、古武道を習得する。フルコンタクト系空手を始め、様々なスポーツにも取り組んだ。

 

1980年に米国ユタ州にて、沖縄空手道無想会を創設。道場生は一時期200名を超え、年に2回自費で世界大会を開催するなど盛況を誇ったが、自身の行う身体操作が西洋スポーツのそれと何ら変わりがないことを悟り、それらの地位・名声を捨て幼少期に習った沖縄空手の修行を始める。

 

首里手の基本であり、かつ究極の形と言われるナイファンチの形の稽古に励み、一時期は5分と立てない日が続くほどその修行は激しかった。苦節数年の後、沖縄空手、ひいては人類普遍の身体操作を理解・自得し、沖縄空手の卓越を知る。

 

また、沖縄空手における歴史研究も行っており、謎に包まれていた琉球王国時代の空手の形のオリジナルな漢字表記、中国人師匠名や伝承経路などを解明し発表した。現在は現在は、ナイファンチを始めとする、沖縄空手の身体思想・操作を次代へ伝えるべく、本部道場での指導以外に、執筆、DVD制作に加え世界各地でセミナー並びにワークショップを積極的に開催している。

 

 

 


書籍


【沖縄武道空手の極意その1~4】

2009年に発売され、「チンクチ」「ガマク」などの用語を知らしめ、沖縄空手ブームを引き起こした。

 

世界的に注目され、英語・イタリア語・スペイン語の三カ国語に翻訳された。 報告はないが、ほかの言語にも翻訳されているようである。

 

説明困難な武術の技法や極意を、可能な限り客観的な言葉で理論立てて表した著作。

 

【沖縄空手道の真髄】

あらゆる流派で最初に学ぶ形・平安。武術的な意味合いは低く、児童や初心者のための体育体操の形とされている。

 

しかし、形の脈絡を理解すれば、直感的かつ実践的な必殺の技の連続であることが理解できる。

 

本書では1000を超える写真つきでその脈略を学べる。


【沖縄空手道の歴史】

膨大な史料をもとに、琉球王国時代から、明治・昭和に至るまでの沖縄空手の歴史が考証される。

 

王国時代の武人の逸話、戦闘の記録、絵画に表される空手と思しき動作など、入手可能な史料はほぼすべて網羅されている。

 

研究費用は家が建つほどであるそうだ。


セミナーの様子


2023年春季セミナー 一部抜粋

2015年セミナー 泊手の形・ローハイの解説



各種リンク


公式YouTube

沖縄同好会YouTube